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2007年、夏コミ。サークル蜘蛛の巣へのゲストで書いたお話。

「あ……」

 まただ。またあの桜の樹。
 最近の幽々子様はどうしてしまったのだろうか。決して咲かないあの桜を、眺めている訳でも、只見ているだけと云う訳でも無い。桜を通して何かを視ているのだ。

「幽々子様、何を視ているのですか」
「ん、桜を見ているだけよ」

 そう言って笑いかけて下さる幽々子様。幽々子様の笑顔。私の何よりも大切なもの。此の笑みを護る為ならば、私の命なんて安いものだ。尤も、私の命は人より半分程安いのだが。
 しかし何故だろうか、今の幽々子様は何処かおかしい。何時ものように笑っている筈なのに、この拭えない違和感は何だろうか。

「妖夢、お茶にしましょう」
「え? あ、はい。直ぐに用意してきます」

 今度は何時もの笑顔だった。先刻の違和感は気のせいだったのだろうか。いや、気のせいだったにしろ、あの桜を視ているのは確かだ。

「参ったな、全く思い出せない」

 あの桜がどう云ったもので、どう云った理由で咲かないのか、を聞いたような気がする。するのだが、あまりよく覚えていない。だけど何か……そう。
 何かとても重要な意味が在ると云う事だけは覚えている。

「と、早くお茶をお持ちしなければ」

 悩んでいても仕方が無い。私は幽々子様の命に従い、幽々子様の笑顔を御護り出来れば其れで良いではないか。

「幽々子様、お待たせしました」
「今日はちょっと遅かったわね。具合でも悪い?」
「あ、はい。あ、いえ、すみません。大丈夫ですよ」
「ずずっ……んー、おーいしい。ところで妖夢、訊きたい事があるんだけど」
「はい、何でしょうか」
「貴方は庭に在る咲かない桜、あの桜の咲き乱れる姿って、見たことがあるかしら」

 此の笑顔だ。何かを企てているようで、何かを見透かしているようで。何時もの能天気な、何も考えていない馬鹿っぽい笑顔では無い、何処か紫様に似た顔。

「……妖夢」
「あ、いえ。私が此処に来てからは一度も咲いていないと思います。お師匠様は見たことがある、と言っていましたが」
「そうよね、私も見た事が無いし」
「あの桜がどうかされたのですか」

 気付けば口をついて出てきた言葉。こんなにすんなりと出るなんて、あれほど悩んでいたのは一体何だったのかと、馬鹿らしく思えた。

「うん。此の前ね、古い文献を見ていたのだけど、其処に書いてあったの。あの桜には『何か』が封印されているってね」
「はあ。封印となると、妖の類ですか。いやしかし、冥界に妖など……むぅ」
「ね、気になるでしょう。紫なら何か知っているかも知れないけど、まだ寝ているし。それでね、あの桜の花が咲けば封印も解けると思うの」
「判りました。それで私は何をすれば良いのですか」
「あれあれ、今日は随分物分りが良いじゃない。何時もなら危ないからって止めるのにぃ」

 確かに、何時もの私ならば幽々子様の御身を案じ、断固として反対していただろう。しかし、こんなにも愉しそうな幽々子様を止める事など出来やしない。出来る訳が無い。

「そうですね。何かあっても私が斬れば済む話ですし、何より幽々子様のお力が在れば生きているモノなど恐るるに足りません。でしょう?」
「あらあら。妖夢も言う様になったわね」

何より、幽々子様の瞳は真剣で、何かを訴えるように必死で。
恐らくあの桜には、『何か』があるのだろう。私には言えない『何か』が。

「其れで、具体的に私は何をすれば良いのでしょう」
「幻想郷中の『春』を集めてきてちょうだい。其れでたぶん足りるわ」
「幻想郷中の『春』ですか。それは……また」
「うん……できない?」
「いいえ。判りました。早急に集めて参りましょう」

 貴女の為に。

「あ、そうだ。折角だし、盛大なお花見にもしちゃいましょう。あの子達を呼んでちょうだい」
「騒霊の姉妹ですね。使いを出しておきます」

貴女のその、笑顔の為に。

「ええ、お願い。今回はどんな演奏をしてくれるのかしら、楽しみ楽しみぃ。」

 今は此の、私が最も大切で大好きな笑顔さえ護る事が出来ればそれで良い。お師匠様の言っていた事も、未だ拭えぬ違和感も気になるが、今はどうだって良い。
 幽々子様が何を考えているにせよ、私は私の護りたいものを護れるよう尽力すれば良いだけなのだ。
 其の先に何があろうとも、何かあっても、その時に幽々子様を護れるよう、最善を尽すのみ。
 そう思うと、それまで靄に包まれ、どこか儘ならなかった自分の心が晴れ渡っていくのを感じた。
 そして、自然と背筋が伸びていくのを感じながら私は駈け出した。
 今の私に此の白楼剣で斬れるような迷いは一切無い。
 今の私の心には、幽々子様の笑顔だけが爛然と輝いているのだから。
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泡沫人(「Comic1☆2」にて発行)

 私は鬼、幻想郷で唯一の鬼。
 酒呑童子と云う名を、最上級の鬼にのみ与えられる名を持つ、最強の鬼が一つ。私の前ではどんなに屈強な人間であろうとも、どんなに狡猾な妖怪であろうとも、またどんな神であろうとも、その存在が霞むことだろう。
 況や、私は幻想郷で最も強大な存在だ。
 しかし、私にも勝てないものが在った。
 一つ、幻想郷を創り出した大妖怪・八雲紫。今でこそ親友であるが、出逢った当時はいがみ合ったものだ。
 二つ、幻想郷と云う存在の均衡を保つための博麗神社の巫女・博麗霊夢。所詮は人間と侮った結果、見事に打ち負かされてしまった。
 そして三つ目の一番厄介な相手、それは『孤独』。神をも凌駕する力を持つ私でさえも、孤独には打ち勝つことが出来なかった。

 ――痛い。
 ――熱い。
 ――寒い。
 ――苦しい。

 それらが一時に押し寄せてくるえも言われぬ感覚に、私は抗う術など持っていなかった。私は今迄一度も、真実失った事など無かったから。
 失うことの怖さを初めて知った時、その時から私の大切なものは一つ、又一つと消えていった。そして最後に残ったのは私と、私の中にある虚無感だけ。
 何処かに穴が開いたとか、何かが欠けているとか、そんなものじゃない。自分の存在自体が希薄になる感覚。身体では無く、心が希薄になってゆく感覚。
 仲間の鬼が死ぬところを幾度も見てきた、同族との離別も経験した。しかし、そのどれからも私は孤独を感じた事は無かったし、悲しみや寂しさも感じなかった。
 はて、あの時私は何を感じていただろう、右手の杯に映る月を眺めながら考える。そもそも感慨などあっただろうか。私はこの強大すぎる力故、仲間達からは恐れられ、忌み嫌われていた。
 そう、あの頃の私には家族も親友も無く、況してや友と呼べる存在でさえ居なかった。
 そこに居たのは、私以外の強大な力を持つ鬼と、私の座を狙い続ける鬼と、雑魚の癖に粋がり、揚句己の負けや力不足を認めようとしない詰まらない連中だけだった。
 そんな奴等との離別だ、今憶えば感慨などあろうはずが無い。それよりも、紫の創ったこの幻想郷に来た時の方が、余程心を動かされた。
 幻想郷には私の友と、その友、そして私の事など知りもしない連中ばかり。私は、酒呑童子の伊吹萃香では無く、ただの伊吹萃香で居られる、そんな気がした。
 幻想郷の居心地の良さと言ったら、鬼の集落とは雲泥の差だった。誰も私を変に敵視しないし、誰も私の事を妬まない。それに、誰も私の事になど気付かずに日常を過ごしていた。
 そんな幻想郷に住み着いてからは、表に出ずに人間や妖怪達の酒宴を見て、それを肴に酒を呷っていた。
 だけど、いつからだろう。只眺めているだけで良かった、楽しそうに騒いでいる彼女達を眺めているだけで良かった。だのに、気付けば私もその中に居て、そこに居るのが当たり前で、そこにはちゃんと私の居場所があった。
 彼女達からすれば正体の全く解らない、忌むべきはずの『鬼』である私。そんな私を、彼女達はあっさり受け入れてくれた。少しずつ、自分でも気付かないほど少しずつ、私の孤独は薄れていった。少しずつだったせいだろう、自分が孤独で無くなった事になど全く気付かなかった。
 気付かなかった私に、こんなにも大切な存在が……こんなにもたくさん在ったのか。そう気付いたのは彼女が消えた時、陽気な人間の魔法使い・霧雨魔理沙が消えた瞬間。
 彼女が消えて初めて、離別が辛いものであると気付いた。傍に居るのが当たり前で、会わない日もあれどまた直ぐに会えるだろう。そうやって過ごしてきた私に、日常と云うものが泡沫であると教えてくれた。
 魔理沙との離別によって、それまで私が過ごしてきた楽しかった日々は、翳りを見せ始める。魔理沙が消えた事で会話の調子がおかしくなり、暫くは変な調子が続いた。
 それだけなら慣れてしまえば良いのだが、どこか言葉の覇気に欠けるような会話ばかりで、あまり楽しいものでは無くなっていった。只、やはりそれでも慣れるものだ。何日か過ごすうちに、それが今までの日常だったかのように思えるようになった。
 しかし、それから程なくして、今度は霊夢が居なくなる。この時初めて、彼女が今の私達の楔であったことに気付いた。
 霊夢と云う楔の喪失、それはつまり、霊夢を介して繋がっていた私達妖怪の横の繫がりの瓦解。私の周りに在った日常と交友は、音を立てて崩れ去った。その瞬間、私の周りからは誰も居なくなり、結果、私は独りになった。
 私は闇に取り込まれ、私と云う存在が徐々に薄れていった。
 もう私には何も無い――何も手に出来ない。
 私に向かって微笑んでくれる奴も、私に向かって冗談交じりの罵声を浴びせてくる奴も、意味も無く私に挑んでくる奴も、無くなってしまった。
 今、私が右手に持っている酒の注がれているこの杯は、生前に霊夢が愛用していた杯だ。その杯の水面に映る、まあるい月を見て憶う。

 私は何をしていたのだろう
 私は何が欲しかったのだろう

 私が本当に欲しかったものは、いつだって私のそばに在って、私はそれに気付かないままそれを日常と思っていて。

 もっと早くに知っていれば
 もっと早くに気付いていれば

 まったく莫迦な話だ、自分の愚かさに嘲笑でさえ出やしない。それどころか、段々と身体と心が慄えてきてしまう。孤独と云う果てない闇と、独りと云う永い永い刻に、弱い私は只、恐怖するしかなかった。
「だめ、もう抑えられない」
 目頭が熱くなる、視界が滲む、咽喉が戦慄く。
 座りながら膝を、身体を強く掻き抱き、痛みで誤魔化そうとしたが、それでも駄目みたいだ。
 もう、泪も嗚咽も止まらない、抑え切れない。
「友よ、何を涕いているのかしら」
「ゆ……かり」
 独り泣きじゃくる私に声を掛けたのは紫、今の私に残された、数少ない掛け替えの無い友。
「私、知らなかった……知らなかったんだ」
 本当の離別、本当の死、本当の喪失。それらの辛さを、それらの痛さを、それらの寒さを。
「魔理沙が居なくなった時、凄く凄く辛かった。でも、あの時はまだ霊夢が居たから耐えられた。けど……だけどっ」
 段々と声が大きくなっていく私を、紫は静かに見下ろしている。
「けど、霊夢が居なくなった時には私、私……もうどうしようもなくなってたんだ!」
 そう叫んだ瞬間に、何かが切れた。紫に向けて、次々と何かを叫んでいるが、自分でも何を言っているのか解らない。紫はそんな私を只々静かに受け入れてくれていて、私は只々そんな紫に向かって、全てを吐き続けた。
 全てを吐いた私を、紫はそっと優しく抱き寄せると、こう言った。
「莫迦ね、まだ私がいるじゃない。萃香は一体、親友を何だと思っているのかしら」
 そうだ、まだ私には紫がいる。初めて掛け値なしの友だ、と思った紫が居る。それに、その友もまだいるじゃないか。私はまた、大切なものを失うところだったかも知れない。私は今度こそ、本当に孤独になるところだったかも知れない。けど、今は只、この何を考えているか解らない、それでも私を友と認めてくれる彼女に、縋っていたい。
 紫は、声を上げて泣く私を抱き締める手を緩めると、私の顔を自分の方に向かせ、私の口唇に向かって――。

「おいおい、何を急にラブロマンスに発展してるんだ。三文芝居なら他でやってくれよ」
 魔理沙が何か言っているが、無視して進めよう。これからが見所なんだ。
「紫、もう私にはアンタしか……あたっ」
 何かで頭を叩かれたみたいだ、今ので舌を噛んでしまった。
「あらあら♪」
 そんな私を見て、紫は愉快そうに笑っている。
「なんだよ、邪魔するなよ霊夢。ここからが良い所なんだから」
 頭を摩りながら、私を叩いた本人を見上げて抗議した。叩いた本人は、私を見下ろしながら仁王立ちしている。
「他所でやれ」
 そう言って霊夢は、針をこちらに向けて刺してきた。
「おっとっと」
 すんでのところで避けて霊夢の後ろに回りこむと、霊夢はこちらへ振り向き、両手を腰に当てて私を睨め付けてきた。
「何かやれって言うから、折角紫と考えて来たって云うのに」
 今日の宴会の為に、わざわざ紫と一緒に芝居を考えて来たと云うのに、この巫女の酷い事。
「人を勝手に死なせておいて、何言ってんのよ。それに、もう誰も見ちゃいないわよ」
 霊夢に言われて辺りを見渡せば、他の妖怪達はそれぞれで盛り上がっている。どうしたものかと紫に問おうとしたが、気付いたら消えている。我が友ながら逃げ足の速い。
「チッ―。紫のやつめ」
 紫が消えた事に気付いた霊夢は、舌を打って何かを呟いている。
「いやいや、それなりに良い芝居だったと思うぜ。けどな萃香、私は霊夢とは違って、いざとなったら死なないんだぜ。なんたって、私は魔法使いだからな!」
 笑顔でそんな事を言う魔理沙に、少し安堵した。
「あっはは、三文芝居とか言ってた癖によく言うよ。まあ、次からは魔理沙は殺さないようにするさ」
 笑いを堪えながら、目元を拭う。
「ああ、頼んだぜ。っておい、涙が出るほどおかしかったか?」
 涙だ出るほどおかしかった訳じゃない、笑って誤魔化しているんだ。
 この芝居は紫と一緒に考えたと言ったが、実際は紫が一人で考えたものだ。あいつは頭が良いからきっと、いつかそう遠くない未来に私に訪れるであろう事象を教えてくれている。そして、今ここに居る妖怪達の繫がりが、霊夢によって紡がれたものである、と教えてくれているんだ。
 いずれ訪れるその時を覚悟しておけよ――と。
 あいつがこの芝居を考えてくれなかったら、私は本当に芝居の通りになっていたかも知れない。私は今のこの賑やかで退屈しない日々と、私達を無視して騒ぎ続けている新たな友を、ちゃんと見つめながら過ごすべきなんだ。
 いつその時が来ても良い様に、私が孤独に押し潰されそうになっても耐えられるように。
「二人ともいつまでも笑ってんじゃないわよ、まったく。いい、萃香。言っておくけど、私はあんたの友達になった覚えなんて無いわ」
 一瞬の間を置いて魔理沙が笑い出し、私も釣られて笑いが込み上げてきた。
「霊夢、私はアンタを友だなんて一言も言ってないよ」
「いやいや萃香、それは違うぞ。霊夢がお前を友達だと思ってるんだ」
 魔理沙の言葉に真っ赤になった霊夢、それを見て腹を抱えて転げ始めた魔理沙。私はそんな有り触れた日常に、また笑って泪を誤魔化した。
「あっはは、照れる霊夢なんてそう見れるもんじゃないぜっ。ってうわ、あ、危ないじゃないか霊夢!」
「五月蝿い! あんたはそうやっていつもいつも、何で簡単に人のぉ!」
 そう、この日常は――永遠じゃない。
 私の生きている歳月から考えれば、本当に直ぐに終わりを迎える事だろう。私から見れば、人の命なんて水面に出来る泡沫の如くあっさりと消えてしまう。きっと、もうそう遠く無い未来に、この日常は忽然と消えてしまうだろう。
 いつそうなっても良い様に、私はこの日常を精一杯楽しまなければならない。いつもの様にじゃれあっている二人をこの瞳に、この心に焼き付けなければならない。
「この、消えてしまえ、桜の花弁が如く潔く散ってしまえ!」
「おわっ、洒落になないって! おい萃香、いつまでも笑ってないで何とかしてくれよ!」
 でも――。
「えー、嫌だよー。面倒臭いもん」
「元はと言えば、お前のせいだろうが!」
 でもどうか――。
「んくんく……ぷはっ、しょうがないなー」
「お、おい萃香、私じゃ無くて霊夢をだな」
 どうか、少しでも長く――。
「だから、魔理沙を何とかしてるんじゃない」
「な、おい、ちょっと、冗談だろッ?」
「あっはっはっ、ほらほら、振り向けばそこには何がいると思う」
「げッ、ま、待て霊夢、話せばわか――」
「死んでしまえー!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 少しでも長く、この日々よ――。


‐終‐

テーマ : 同人小説 - ジャンル : 小説・文学

咲夜さんと、レミィが壊した懐中時計(夏コミおまけコピー本)

 バキッ――
 何か硬い物が砕ける音。その次に、メキッ、とか、バリッ、とか、兎に角そういった、何かの砕ける音が部屋に響き渡った。
 雨の降り頻る音と少しの硝煙の中、その何かが砕ける音だけは、誰の耳にも届いた。
 誰もがその音を耳にして動きを止める中、最初に動いたのは吸血鬼の少女――レミリアだった。
 視線を自分の足元に向けながら、そっと右足を持ち上げる。自身で起こした小規模な爆発による硝煙のせいで彼女自身、未だに自分が何を踏んだのか解っていない。
 持ち上げた足を、そっと横に下ろす。と、陶器の破片を踏み砕いた様な音が聞こえたが、今度は誰もその音を気にも止めなかった。
 壁に開いた穴から風が吹く。部屋に舞っていた硝煙や塵芥を、一陣の風が攫っていく。
 足元が明瞭になる。
 その場にいる全員が、レミリアの足元に注目する。彼女の足元には、砕けた硝子や小さな歯車、ネジ、バネ、そして、それらが収まっていた金属製の入れ物。
 レミリアが踏んでしまったのは、懐中時計。この時計、紅魔館で唯一の人間――咲夜のものだった。
 普段から懐に忍ばせ、時折取り出しては大事そうに握り締めている――そんな咲夜の姿を、この場にいる全員が――レミリアも、パチュリーも、普段は自室に軟禁されているフランドールでさえもが知っていた。知っていたからこそ、誰も一言も発する事が出来ず、只々懐中時計だったモノを眺めるだけだった。
 『原因は私では無い』、普段のレミリアならば口にする。
 『レミリア、貴女が壊したのよ』普段のパチュリーなら叱咤する。
 『お姉さまが壊した』、普段のフランドールならばそう冷やかす。
 しかし、誰も何も言わなかった。
 その内に、咲夜が静かに歩みを進める。俯いた彼女の表情は見えない。
 一歩、また一歩と、レミリアの元へ――懐中時計だったモノの元へと、静かに近付いていく。
 咲夜がレミリアの前で立ち止まった。レミリアは咲夜の表情を見て息を呑んだ。
 パチュリーも、フランドールも、咲夜の表情は伺えない。けれどレミリアの様子から、何かを悟り、身を強張らせる。
 咲夜は静かにしゃがみ込み、ゆっくりと、砕けた破片に手を伸ばす。
 『何か、何か言わなければ』、けれど何も言葉に出来ないレミリアの手が、咲夜に伸びる。けれど届かない。かける言葉も見つからぬまま、どうして咲夜に触れようか。
 すると咲夜が顔を上げた。
レミリアは息を呑み、全身を強張らせながら審判の時を待つ。咲夜が、レミリアに下した裁定は――笑顔。
 何故怒らないのか、何故笑っていられるのか。レミリアは目を白黒させながら、咲夜の顔をじっと見つめる。
 咲夜はまた、レミリアに笑いかける。
 『ガラスの破片でお怪我をします』、咲夜の笑顔が告げていた。
 咲夜の笑顔を解した瞬間、レミリアの思考は停止した。
 レミリアの頭の中では、一つの言葉が浮かんでは、泡沫の様に弾けて消える。何度も何度も、弾けて消える。
 咲夜が再び下を向く。破片を片付けようと下を向く。
 『咲夜が再び俯く前に、何としても言わなければ』、レミリアの咽喉が鳴る。
 咲夜は主人の発した声に、下げた視線を再び上げる。
 レミリアの――小さな悪魔の口が動く。
 声は上手く出ていない。けれど咲夜には理解できた。咲夜は、主人に再び笑顔を向ける。
 咲夜に意思が、通じた事を喜んだのか。将又、咲夜の優しさに喜んだのか。
 小さな悪魔は声を上げて泣き始めた。
 『ごめんなさい』、と、それだけを口にしながら。

テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

ある日の八雲一家(『東方不敗小町3』にて頒布)

 梅雨の合間の、ある晴れた日の夕暮れ。家事を一通り終えた藍は、橙を探して家中を歩き回っていた。
 久しぶりの晴れ間に、橙を連れて里へ下りようと考えていた藍だったが、いざ探してみると橙の姿が見当たらない。そして、とうとう紫の部屋へと行ってみる事にした。
「紫様。橙がこちらに……ん、巫女? 何時の間に不法侵入したんだ」
「客人に向かって随分じゃない。あんたそれでもメイドなの」
 紫の部屋に入ると、紫と霊夢が仲良くお茶を飲んでいた。藍は、霊夢の一言に、些か腹を立てた。
「何度言えば解る。私はメイドなどでは無い」
「あら、ごめんなさい。召使だったかしら」
「なんだと!」
「もう、二人とも。そのくらいにしておきなさい。藍、霊夢は私が呼んだのよ」
 今にもドンパチ始めそうな勢いの藍と霊夢であったが、主人に諫められた事により、藍は怒りの矛先を収める他無かった。
「……紫様が?」
「ええ。久しぶりの晴れ間だもの、一人で過ごしては勿体無いでしょう」
「そういう事よ。解った? 女狐」
「霊夢!」
「な、何よ……」
 紫は、喧嘩腰の霊夢を静かに睨んだ。普段はクールな性格であるが、威圧感を剥き出しにした彼女を前にして平気で居られる存在は、限られている。いくら霊夢と言えど、彼女の剥き出しにされた威圧の前ではたじろいでしまう。霊夢に「黙っていろ」、と視線で威圧した紫は、藍の方へと向き直った。
「藍、どうしたの。貴女らしくない」
 先程とは打って変わって、藍に語りかける声音は慈愛に満ちていた。この声を聞くと、藍は途端に素直な子に成ってしまう。
「紫様、その声色は卑怯ですよぅ」
 紫はスキマから藍の後ろに移動すると、藍を抱きかかえ、妖艶な唇を藍の耳へと寄せた。「んー? 違うでしょう、藍。私はどうしたの、と訊いているのよ?」
 そう言われた藍は、紫の腕の中で照れた様に、「うぅー」、と唸っている。
「らーん?」
「紫様が巫女・・・霊夢と一緒に、楽しそうにお茶なんか飲んでいるから」
「あら、私が霊夢とお茶を飲んではいけないの?」
「いえ、そういう事では無く……お茶なら私が、お相手を致しますのに」
「あらあら、妬いていたのね」
「ち、違います!」
「もう、照れちゃって。藍ってば可愛いんだからぁ!」
 紫はそう言うと、一層強く藍を抱き締めた。藍はと言えば、照れながらも甘えるように紫の胸へ顔を埋めている。まるで親子か仲の良い姉妹、見方によっては夫婦の睦語りの様である。
「もう、藍は甘えん坊さんね」
「んー、紫様にだけですよー」
「何時までイチャついているのよ。私、帰るわよ?」
 二人を見ていられなくなった霊夢が話しかけた。しかし、そんな言葉も今の二人には届かない。只々、二人の世界に没頭している。
「んー。はうぁ……紫様、そこはダメですぅ。あうー、そんなに優しく撫でられたらー」
「ふふ。相変わらず、耳の後ろを撫でられるの好きなのねー」
「ふぁうぅ」
 紫と藍の新たな一面を見られたと思っていた霊夢。しかし、その陰では違う感情も芽生えていた。
純粋な羨望――
 こう云った家族の在り方を、霊夢は羨ましく思った。
「紫。帰るわ、私」
 居た堪れなくなり、霊夢はそう言って立ち上がろうとした。
「あら、帰っちゃってもいいの?」
 そう言われて紫達の方を見た霊夢は、本来の目的を思い出していた。
「ふぅー。これじゃあ帰れないじゃない。謀ったわね?」
「さあ、どうかしら」
 霊夢が素直では無い事を、紫も霊夢自身も理解している。そして霊夢はこの時、紫が全て計算尽である事も理解していたた。
「本当、敵わないわね」
「ふふ。さ、いらっしゃい霊夢」
「はいはい」
 霊夢は紫の下へと歩みを進めた。
「暫くは起きないわ」
「本当に起きないんでしょうね?」
「貴女、私の能力を信用出来なくて? と言っても、今回は何もしてないけど」
「でも……」
「もう、焦れったい。藍の尻尾に触りたいと言ったのは貴女でしょう? ほら!」
 紫はスキマに腕を通すと、霊夢の背中を押した
「あ、ちょっと、きゃん!」
「どう霊夢、藍の尻尾の感触は」
「んー……」
「霊夢?」
「あったかぁい」
 そう言った霊夢は、藍の尻尾を抱き締めて離そうとしなかった。
「あらあら、そんなに気に入ったの」
「うん。ふぁー、このまま眠りたぁいぃ」
 藍の尻尾に顔を埋めている霊夢の、斯様に甘えた声音を聞いたのは、恐らく紫が初めてだろう。そんな霊夢を見て、紫は藍諸共、霊夢を抱き寄せた。
「寝ても良いけれど、私だけ仲間外れはイ・ヤ・よ」
 藍の尻尾とじゃれている霊夢などお構い無しに抱いた結果、藍を霊夢と紫で挟む形になっている。霊夢の顔は藍の尻尾から剥がされ、藍の頭の上にある。
「ちょっと、何すんのよ。尻尾から離れちゃったじゃない」
「別にいいじゃない。藍は耳も気持ちいいのよ?」
「そんな事どうでも――って、やだ。いい手触り」
 藍の耳の触り心地が気に入ったのか、霊夢は藍の耳に頬擦りしている。
「それじゃあ私は、こっちを愛でようかしら」
 紫は霊夢の髪を撫でながら言った。
「ちょっと、気安く触らないでよ」
「じゃあ、藍の耳を返して頂戴」
「嫌よ。これはもう私のモノよ」
「何を言っているの。藍は私の式なんだから、私のモノに決まっているでしょう」
「関係ないわ、今は私のモノよ」
「なら、霊夢の髪は私のモノ」
「嫌よ。私の髪は私のモノよ」
「埒も無いわね」
 まるで子供の喧嘩の様に見えることを、二人とも理解している。何時もこの調子で、二人からすれば馴染みの事なので、何を気にしたふうでも無い。
「それよりも、この季節に3人もくっついていたら暑いじゃない。紫、あんた離れなさいよ」
「そうねぇ、なら――」
 紫が腕を振った途端、周囲の気温と湿度が急に下がり、梅雨とは思えない程快適な環境になった。
「また境界を弄ったの?」
「だって暑いじゃない」
「そうだけど、季節ごと弄るなんて――」
「この部屋だけよ。ここから外へ出れば、梅雨の湿っぽい暑さが蔓延っているわ」
 霊夢の言葉を途中で遮り、紫はしれ、っと言い放った。
「そう。それならいいわ」
「貴女、相変わらず利己的なのね」
「あんただって人のこと言えないじゃない。そんなことより、眠いから寝るわ」
「はいはい、御休みなさいな♪」
「私が寝ている間に、髪に触るんじゃないわよ」
「さあ、それはどうかしら」
 紫の返答など無視して、霊夢は瞼を閉じた。
「本当、素直じゃないんだから」
 藍の髪と耳に顔を埋めている霊夢を抱き寄せた紫の瞳は、慈しみと親愛の情を湛えている。
「私も……もう一眠り」


************************


 月が天の中心に来た頃、藍は目を覚ました。しかし、目覚めた藍を待ち受けていたのは――
「私は何故紫様と霊夢の腕の中なのだろうか」
 藍は、紫と霊夢に腕と足を見事に固められ、身動きが取れない。唯一動かせるのは尻尾と頭。
「はあ……こんな処を橙に見られたら、何て言われるだろうか」
 誰にともなく呟いた藍だが、自らの呟きに、何か疑問を抱いた。
「――ッ」
 しばし悩んだ末に橙の存在を思い出した藍は、息を呑んだ。その顔は、すっかり蒼白くなっている。
「あ……ゆ、紫様! 起きてください紫様!」
 藍は自分に抱き着きながら眠っている二人に構う事無く、少々乱暴に身体を揺すり、自分の呪縛を解こうとしている。
「んー? ふぁあ……ふぁら。目を覚ましたのね、藍。ああ、今夜も月が綺麗ねぇ」
「そ、それどころではなくて! 橙が、橙が!」
「橙がどうしたのぉ」
 紫は起き抜けで、未だ少し寝惚けている様だったが、藍は構うことなく紫に状況を説明しようする。
「橙が居ないんです、夕方から!」
 紫は藍をから手を離すと、「んー」、と伸びをした。紫に開放された事で片腕の自由が戻り、藍は霊夢を自分から引き剥がした。
「そんなに慌てなくても、お腹が空いたら帰ってくるでしょー」
「何時もの晩御飯の時間なんて、とっくに過ぎているんですってば!」
「んもう、取り敢えず落ち着きなさい……家の中は探したの?」
「はい、夕方に。この部屋が最後だったんです」
「この部屋に来ては居なかったわねー。外に遊びに行ったのではなくて」
「いやでも、外に行く時は何時も声をかけて――」
「いいから、さっさと探しに行きなさいよ」
 藍の言葉を遮り、霊夢が一言言い放った。
「まったく、五月蝿くて寝ていられやしないじゃない。さっさとあの化け猫を見つけて、もう一眠りよ」
「お前に言われなくとも、今行こうとしてたんだ!」
「何言ってるんだか。愚図愚図してたくせに」
「五月蝿い! お前だって寝言で――」
「五月蝿いのは貴女達の方でしょう」
 またもや、藍の言葉は遮られた。しかし、遮ったのは霊夢でも無ければ紫でも無い。
「あら、今度は本物のメイドじゃない」
「本物って、何の話なのかしら」
 何時の間にか部屋の入り口に立っていた、紅魔館のメイド――咲夜だった。
「そんな事より、向こうの部屋で寝ている子がいるんだから、もうちょっと静かにしなさい」
「お前も不法侵入か!」
「うん? あー……確かに不法侵入では、あるわね」
「ぬけぬけと……」
 藍が怒りを爆発させようかと云う時、紫が藍の頭を撫ぜ、藍を宥めた。
「こら藍。止めなさいったら、もう……で、メイドさん。誰が寝ているのかしら」
「貴女の処の子猫よ」
「橙? 橙は無事なのかっ?」
 藍は咲夜の襟首を掴みあげそうな勢いで、彼女へと詰め寄った。
「無事って何よ、無事って。別に私達は何もしていないし、寧ろ迷惑したのはこっちの方なのよ? 何時の間にか館の中に侵入しているんだもの。遊ぶのは構わないけど、確り監督しなさい」
「そうか、無事だったか」
「それは悪い事をしたわね」
 安堵する藍の横で、紫は悪怯れる様子もなく謝罪の言葉を口にした。
「ん? 橙が館で遊んでいたと言ったか? それは、橙が言ったのか?」
「ふぅ、そうよ。『かくれんぼ』、だなんて良い迷惑。するなら他所の家に入らないように注意くらいしなさい」
 咲夜は溜め息を吐いて、藍の質問に答えた。
「あ」
 その刹那、霊夢の何かに思い至ったような呟きが漏れた。その呟きに、3人が注目する。
「かくれんぼ、私だわ」
「「「はい?」」」
 その場にいた全員が口を揃えて同じ事を言った。
「此処に来た時に家に入るのを邪魔されたから、「かくれんぼしてあげる」、って言ったのよ」
「お前の仕業か!」
「何よ、元はと言えばあんたが相手をしないからでしょ。纏わり着かれて大変だったんだから」
「う……し、仕方ないだろう。溜まった洗濯物を全て洗っていたんだ」
 バツが悪そうにそう言った藍の頭をゆっくりと撫で付けながら、紫は霊夢に訊ねた。
「それで。中に入れないから『かくれんぼ』、と言って橙を追い払った、と云う訳ね。」
「だから、そうだったって言ってるでしょう」
「そう、事情は解ったわ。藍、橙は貴女の式なのだから確りと面倒を見なさい」
「はい……」
 紫に叱られ、しゅんとしている藍に向かって、紫は更に一言付け加えた。
「もう……ほら。ここは良いから、橙の様子を見ていらっしゃい。そしたら、晩御飯ね」
 藍は頷くと、直ぐに部屋から出て行った。
「ねぇメイドさん、貴女は食べていく? お詫びにご馳走するわよ」
「未だ仕事が残っているのよ、今宵は遠慮させて貰うわ」
「そう、なら仕方ないわね。メイドさん、わざわざ橙を送ってくれて有難う」
 今度は心からの言葉だった。それが解らない咲夜ではない。
「次から気をつけてくれれば、それでいいわ。叱られるのはどうせ、門番だし」
 そう言うと、咲夜は部屋を出て行った。そして咲夜の足音はふ、と聞こえなくなり、紫は霊夢の方へと向き直った。
「さて、霊夢――って、あら?」
 先刻までそこに居た筈の霊夢は、何時の間にか居なくなっていた。
「逃げたわね」
 紫はそう呟くと、霊夢には興味を無くしたのか、部屋を出て台所へと向かった。途中、居間を通ると橙が起きていた。
「あら、橙。起きていたのね」
「あ、紫さまー」
 紫の姿を目に留めると、橙は寝惚けた様な声のまま、紫に抱きついた。
「ふふ、貴女も藍も甘えん坊さんね。ねぇ橙。今日の様に、人様の家に勝手に上りこんではダメよ?  次からはきちんと、門番を蹴散らしてから入りなさい、いいわね」
「はぁーい」
「はい、よく出来ました。それじゃあ私は藍に用があるから、ご飯が出来るまで大人しく待ってなさいね」
 紫は橙の頭を撫ぜると、もの足りなさそうな橙を残して、藍の居る台所へと向かった。
「あ、紫様。食事は何人分必要ですか?」
 紫が台所へ入ると同時に藍に声を掛けられた。
「3人で良いわ。霊夢も気が付いたら居なくなっていたし」
「……そうですか」
「どうしたの? 何時もなら、霊夢がいると機嫌が悪いのに」
「いえ、今日は私に非がありましたから。それに……」
「それに?」
「あ、いえ、何でもありません」
「んー? らーん。貴女、何を隠しているのかしらー?」
「別に何も隠してはいないんですけど、只……」
 そう言った藍の瞳は、悲しみと優しさを湛えて虚空を見つめていた。何があったのかは解らないが、紫にも得心が行く事だったのだろう。そっと藍の頭を撫ぜた。
「紫様?」
「次は霊夢も一緒に、ね?」
「あ……はい!」
 紫に撫ぜられている事が嬉しいのか、紫と同じ想いである事が嬉しいのか。藍は照れ臭そうに微笑んだ。
「あー、藍さまずるーい! 紫さま、わたしもー!」
「ふふ、はいはい」
「ふにゃぁん」
 満足そうに顔を蕩けさせている橙を見て、紫と藍は顔を見合わせて笑った。
「さ、すっかり遅くなりましたけど、ご飯にしましょう」
「あ、藍さま。わたしもお手伝いしまーす!」
「あら、橙は偉いのね」
 褒められた事が嬉しいのか、橙は瞳を輝かせながら藍の指示を待っていた。
「それじゃあ橙、御櫃を運んでくれるかい」
「はーい!」
「さ、紫様も――って、早!」
「藍、早くー早くー♪」
「ぷっ……はいはい、只今。橙、大丈夫? 重くない?」
「だい、じょぶ、です」
 全く大丈夫そうには見えなかったが、藍も紫も手を貸す事はしなかった。これが今の八雲家の、家族としての貌。
「んしょ……っと。藍さま、運びました!」
「よしよし。それじゃあ座って、い『ただきます』、だ」
「はーい!」
 既に食器を並べ終えて座っていた藍は、御櫃を運んだ橙に着席を促した。
「よし、それじゃあ。戴きます」
「いただきまーす!」
「あらあら、橙は元気ねー。戴きます」
 霊夢達の影響なのか、以前とは、そして昨日とは、少し貌の変わった家族。そこには、幻想郷の人里では有り触れている様な、温もりを感じる事が出来た。


 ―終幕―

テーマ : 同人小説 - ジャンル : 小説・文学

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